ヘアサイクルのイメージ

白髪になる原因は、メラノサイトの働きが弱くなるからです。

頭髪のヘアサイクルにおいて、メラノサイトの働きが弱くなると、メラニン色素が生成されなくなったり、メラニン色素が毛母細胞に渡されなくなったりします。
その結果、白髪が生えてきます。

当記事では白髪ケアの観点からメラノサイトの働きについて解説します。

これを読めば白髪になる理由と改善方法が分かります

メラノサイトとヘアサイクルの関係

頭髪のヘアサイクルとは、髪の毛が伸びる・抜ける・生えるを繰り返す周期のことです。
毛髪サイクル・毛周期とも呼ばれています。

ヘアサイクルが乱れると、薄毛脱毛といった症状につながります。

ヘアサイクルは「成長期」「退行期」「休止期」の3つの期間に大きく分けられます。
(参考:ヘアサイクルと脱毛のメカニズム|カミわざ

メラノサイトは主に、ヘアサイクルの「成長期」と「休止期」に深く関わっています。
それぞれの期間について詳しく解説します。

成長期

新しい髪が生えて伸びていく期間です。
成長期の期間は、個人差毛髪一本一本によって異なるので諸説あります。

一般には、女性で4~8年くらい、男性で2~6年くらいと言われています。
男女差がある理由は、髪の成長を促すエストロゲンという女性ホルモンの分泌量が男女で異なるからです。

「毛乳頭」のまわりにあるのが「毛母細胞」と「メラノサイト」

毛穴の奥には毛乳頭(もうにゅうとう)という組織があります。
毛乳頭は、毛髪を成長させる命令を出すコアとなる組織です。

毛乳頭の周りには毛母細胞(もうぼさいぼう)メラノサイト(=メラニン細胞=色素細胞)があります。
毛母細胞が分裂することで、毛穴の外に向かって髪の毛が伸びていきます。

この時、メラノサイトで生成されたメラニン色素が、分裂する毛母細胞に渡されることで、髪の毛に色が付きます。
メラニン色素が渡されないと白髪になります

成長期には抜け毛が増える

新しい毛髪が伸びることで、すでにあった休止期の古い毛髪は押し上げられて抜けやすくなります。
自然に脱毛する毛髪の本数は、一日に50~150本とも言われています。

ヘアサイクルの乱れによって一日に抜ける毛髪が多くなると、全体的に薄毛になる「びまん性脱毛症」が疑われます。
びまん性脱毛症については下記の記事で解説しています。

退行期

毛乳頭の働きが低下する期間です。
退行期の期間は2~3週間くらいと言われています。

毛母細胞の細胞分裂が少なくなるので、髪が伸びなくなっていきます。

休止期

毛乳頭の働きが休止する期間です。
休止期の期間は2~4ヶ月くらいと言われています。

毛乳頭から毛母細胞が離れることで毛髪の伸びがストップし、やがて毛髪は抜けていきます。
この期間は、毛乳頭の周りに次の毛母細胞を作るための準備期間です。
(参考:The hair cycle | Journal of Cell Science

メラノサイトの働きが弱くなると白髪になる

じつは、毛穴の比較的浅いところにあるバルジ領域と呼ばれる部分には、メラノサイトが多く存在しています。
メラニン色素は、毛髪だけでなく皮膚にも多く使われるため、より皮膚に近い位置にメラノサイトを生成する色素幹細胞があるからです。

毛乳頭の周りにあるメラノサイトは、もともとバルジ領域から移動してきたものです。
毛乳頭からメラノサイトを誘導する命令(SCF=メラノサイト移動誘導因子)が出されて、メラノサイトがバルジ領域から移動する仕組みになっています。
なので、十分な量のメラノサイトが移動できないと黒髪を作ることができません

実際、白髪の約80%は毛乳頭の周りにメラノサイト自体がない状態であることが分かっています。
(参考:「メラノサイト移動誘導因子」の産生促進効果を持つ『加水分解黒米エキス』を開発

ですので、何かの方法でメラノサイトの数を増やすか、メラノサイト自体の働きを復活させれば、白髪の改善が期待できます。

メラノサイトの数を増やすにはSCFの生産量を増やすしかない

SCFを増やせば、メラノサイトの数を増やすことができます。

しかし現実には、SCFは休止期に生産量が低下してしまいます。
そして休止期から成長期に移り変わるタイミングで、SCFの生産が再び多くなることも分かっています。
休止期に低下したSCF生産量が、成長期に入っても増えないままだと白髪になってしまうのです。

これは裏を返せば、休止期にSCFの生産を促進できれば白髪を改善できるということです。

前述の参考サイトでは、コメエキスによってSCFの生産の促進に成功しています。
しかし残念ながら、今のところ実用化の段階にはいたっていません

そのため、白髪ケアのために私達ができることは、メラノサイトの働きを高めることだけです。

メラノサイトの働きが弱くなる原因

白髪のメカニズムに深く関わるメラノサイトですが、メラノサイトの働きが弱くなる原因はいくつか考えられます。

加齢による機能低下

メラノサイトは加齢とともに機能が低下することが知られています。
また、同様にメラノサイト自体の数も減少することが分かっています。

ストレス

病気やストレスによって、体の自然免疫が活性化するとメラノサイトの働きが弱くなるという研究結果があります。
(参考:A direct link between MITF, innate immunity, and hair graying

栄養不足

メラニン色素の生成には、チロシナーゼなどの酵素タンパク質ミネラルといった多くの栄養が必要です。
これらの必要な栄養が足りないと、メラニン色素の生成が減ってしまうと考えられます。

また、休止期に栄養が不足してしまうと、結果的にメラノサイトの数自体が減ってしまいます

血行不良

メラノサイトが活発に働くためには、十分な栄養を送るための血液が必要です。
頭皮の血行不良によって栄養が足りなくなると、メラニン色素の生成が減ってしまうと考えられます。

頭皮環境の悪化

頭皮が乾燥したり、皮脂や汚れがたまってしまうと、頭皮のターンオーバーが乱れます
その結果、血行不良が起き、酸素や栄養の不足につながり、メラノサイトの働きが弱くなってしまいます。

メラノサイトの働きを高める4つの対策

睡眠を十分にとる

睡眠こそ最強の解決策である』という言葉は、睡眠科学者でカリフォルニア大学バークレー校教授のマシュー・ウォーカーの名著の表題です。
普段から睡眠を十分にとることは、ストレス耐性を高め、ホルモンバランスを整え、心身のあらゆる機能を正常な方向に導いてくれます

しかし、私達の多くは睡眠について正しい知識が無さすぎます
じつは睡眠について学ぶことで、仮に睡眠時間が十分に取れなくても睡眠の質を上げることは可能です。

前述の本が難しそうと感じる人には、『マンガでぐっすり! スタンフォード式最高の睡眠』が読みやすいです。

ストレスを減らす

よくあるストレス解消法は意味がありません
なぜなら、ストレスを感じた時点で体は影響を受けてしまうからです。
なので、日々のストレスの原因を特定して、原因そのものを減らす必要があります。

ストレスの原因を減らす方法は人によってケースバイケースになるでしょう。
しかし、白髪ケアだけでなく人生の質を高めることにもつながるので、本気で取り組む価値があります

サプリで栄養を補給する

メラノサイトの働きに必要な栄養素は多くあります。
しかし、全てを十分にバランス良く食事から摂取するのは難しいです。

そのため、白髪ケアを目的としたサプリメントで栄養を補うのが最も効率的です。
当ブログでも白髪サプリをいくつか紹介しています。

ただし、サプリを飲めばすぐに白髪が改善されるわけではありません
理由はもちろん、ヘアサイクルで決まった順序・決まった期間を待つ必要があるからです。

とくに、休止期にあたる2~4ヶ月間はメラノサイト活性化のために栄養補給を続けないと効果は実感できないでしょう。

頭皮環境を改善する

頭皮環境の改善によって血行を良くすることは、メラノサイトの働きを高めるのに有効です。
一番に思い浮かぶのは育毛剤ですが、多くの育毛剤は発毛を目的とした希少成分が配合されているので、高額になりがちです。

もっと手軽に頭皮環境を改善できるのは、専用のシャンプーを使うことです。
当ブログでも頭皮環境が改善できるシャンプーをいくつか紹介しています。

ただし頭皮環境改善のためには、シャンプーを変えただけでなく、頭皮の正しい洗い方も学ぶ必要があります。